慶應幼稚舎試験傾向とたちばな行動観察・表現力クラス3

慶應幼稚舎出題傾向とたちばなレッスン内容。「製作」編です。

考査の中で最も幼稚舎らしさが出ているのが「製作課題」だと私は思います。


*2007年度においても、以下のような出題例がありました。

1.画用紙に2箇所切り込みがあり「動くもの」を描く。

2.赤と黒のサインペン、画用紙数枚、赤い透明セロハンが用意。セロハンをあてると赤のサインペンで描いたところが見えなくなることを説明の上で「好きなもの」を描く 基本的な「巧緻性」と共に「想像性」が問われる総合課題です。

私たちのレッスンでは「共同制作」の課題を多く取り入れています。

模造紙1枚に「夢の遊園地」を作成させる

浦島太郎の話を聞かせた後に「海底の世界」を描くなど・・・・

レッスンの中で大切にしていることは「クレヨンの塗り方」「糊の塗り方」「ハサミの使い方」など製作の基本課題と共に 「なぜその絵を描くことにしたのか?」「それはどのような特徴なのか?」「何が好きなのか?」など製作物に対する質問を丁寧にしていきます。 同じものを作成したとしても理由は違うはず・・・

考査においても、実は制作物の出来とともに、その発想を試験官は重要視していることを念頭に入れてのことです。



さて、子供の想像性を養うにはどうしたらよいでしょうか。 観察力を養うことだと思います。「何気なく乗っている電車やバスなぜ動く?」子ども達の小さな疑問を時間を掛けてゆっくり考えさせることが必要です。

いつも子供さんに接していますと、面倒に感じついつい上記の質問に「○○だから・・・・」と一言で答えてしまいがちです。 ですが、子どもたちの「なぜ?」に固定概念をもたず、自分で考えさせるヒントを与えることが大切だと思います。

非常に時間がかかることなのです。 実際、共同制作課題ひとつとっても、時間の枠に捉われず、基本巧緻性や想像力を高めることを丁寧に時間を費やすとすると1時間程度はあっという間に過ぎてしまいます。

数々の教室において幼稚舎クラスなど設置していますが、年長児の時間が差し迫る時期になりますと「方法論」を中心に指導することになったりしてしまいます。 例えば、「動くもの」という課題に対して、飛行機や電車や動物などがあることを先生方が教えます。その選択肢の中から好きなものを1つ描かせる。

造らせるという手法に偏ってしまうことがあります。確かに、本考査では時間内に動くものを作成することができるとは思いますが、 試験官は子供たちに2、3質問することによって、「うーん。この子は方法論を教わってきたんだろうな。」と気づくと思います。

ですから、本来私たちは、受験対策を行うには年中児からゆっくり時間をかけていきたいとは思っています。 枠組みに囚われない発想力 真の意味で幼稚舎の試験とは(幼稚舎に限らず最近の小学校入試の傾向)は求めているのです。